私が鬼石から今よりも少しだけ縁遠くなっていた時期に
鬼カフェで
「東京から移住先を探しているご夫婦がいるんだよ」
という話を聞いた。
次にそのご夫婦の話題を聞いたときには、
「すごい家に越してくることにしたらしい」
ともっぱらの噂に。
聞けば
とにかく、建物の体すらなしていない、
雑草に覆われ半分朽ちているような(!?)
ほぼ廃屋に越してくると。
「あれを直すのは無理だから、誰か早く止めた方が良いんじゃないか」
と、私から見たら常にアグレッシブかつアクティブな鬼石の重鎮たちですら
心配するほどの状態だったらしい。
…ずいぶんチャレンジャーなご夫婦だな。
と思ったのをよく覚えている。
そんな噂だけを聞いて、
勝手にものすごくアクティブなご夫婦を想像していて、
初めてイベント(寿光寺さんの花祭りだったと思う)でお目にかかったときに、
穏やかな笑顔のお二人を見て、イメージしていたのとずいぶん違うことに驚いた。
それからもイベントや鬼カフェでお会いしたりはしていたものの、
いつかお邪魔したいと思いながら、お店に伺う機会がなかなか取れず。
やっと先日(12/9)、初めて伺うことができた。
まず場所に驚く
芸術・茶屋カタチは藤岡市鬼石地区の「あじさいの里」の遊歩道沿いにある。
市営駐車場に車を止め、 細い坂道を上がっていく。
この先にお店が…というか、本当に民家があるのかとドキドキしてしまうような細道がつづく。
実際、配達の運送業者さんにも、ホントに家あるんですか?と聞かれてしまうらしい。
*駐車場からお店までの道のりはカタチさんのこちらの記事に詳しく載っています。
坂道を登り、目の前に現れたのは
廃屋だったとはとても思えない、静かで柔らかな雰囲気の建物。
芸術・茶屋カタチ到着。
中は薪ストーブの燃える暖かな空間。
ご夫婦の雰囲気が そのまま現れているかのよう。
頂いたのは豆乳のココア。
そして、手土産のお返しに、と付けて頂いた
三波石のクッキーと小豆のケーキと紫芋のクリーム。
カタチさんで頂くものは身体に優しいものを頂いてる、
という感覚が身体に染みてくる。
それでいてとても美味しい。
ホッとした気分になり、周りを見回すと
そっとしつらえられた現代美術の作品が目に入る。
私は全く美術に明るくない…というより
本当に申し訳ないくらい全くわからない。
でも、そんな私でも、カタチさんに
とても自然にしつらえられた作品は美しいな、と思う。
なぜ鬼石に?
今までお会いすることはあっても、
ゆっくりお話をする機会がなかったので、
たくさんの人に聞かれたであろう
なぜ鬼石に?という質問をさせていただいた。
のどかな移住先を探していたときに、知り合いの方に
「弟が面白いところに住んでいるから行ってみたら」
と紹介されたのが鬼石だったそう。
鬼石を訪れたときはちょうど「かんな秋のアート祭り」の準備の最中で
シロオニ・スタジオのアトリエで制作中の来日アーティストに会い、
会場である十一屋も訪れたりするなかで、鬼石へ移り住むことを決めたそうだ。
そして、お世辞にもわかりやすいとは言えない立地の家を選んだことについて尋ねると
「空間がよかったから」
と笑顔で即答してくれた。
確かに、鬼石の町の中だと、静かだと思っても
町が持つ雰囲気というのだろうか、
どこか賑やかさが感じられるのだけれど、ここはとても静か。
どちらもとても魅力的だとは思うけれど、
お二人の雰囲気に合うのはこちらかな、と思う。
近くにある沢と自然に囲まれた立地もあるのだろうか。
清められた優しい静けさがゆっくりと漂う。
芸術・茶屋カタチ
芸術・茶屋カタチを通して、
現代美術を身近に感じてもらう入り口になれたら、と語るお二人。
日々の時間の流れに少し疲れたときは、芸術・茶屋カタチへ。
訪れた人を優しく迎えてくれる、しつらえとお料理、
そして静かにゆっくりと流れる空気がきっと癒やしてくれる。
藤岡市鬼石字野栗1015番地2
営業日 土・日
営業時間 正午から日没まで
ブログ https://katachino.exblog.jp/
2019.4.3追記:
四月より七月中旬まで定休日が木・金曜日の週二日になるそうです。
営業日:土・日・月・火・水
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今回お邪魔して話に夢中になってしまって
撮って帰ってきたのは頂いたものの写真だけ。
建物の写真は?!暖炉は?!しつらえは?!
…撮り忘れました(スミマセン)
写真を撮りに行かなくちゃ!
という口実をつけて、
あの静かな優しい空間に癒されに行こう。
お付き合いいただいた渡辺さんご夫妻、そして 一緒に行ってくれた相庭沙奈絵さんに感謝。
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追記
12/18に少し写真を追加しました
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